Vol.1 ここは動物ワンダーランド 〜インド〜 の巻

「いたぁー、野良牛ーっ!!」
インドで初めて野良牛の姿を見た時、私は思わず歓声を上げていた。
「やっとインドに来たぞぉ〜」という実感がこみ上げて、うっすら涙さえ浮かん
だほどである。
インドに旅立つ前の「インド予習期間」に読みあさったインド本に、必ずといっ
ていいほど登場していた野良牛。
牛は「聖なる動物」としてあがめられているので、食べる事も殺す事も出来ず
どんどん増えてしまったらしい。何頭もの牛が道の真ん中に我がもの顔でダ
ラ〜っとしている姿は「俺達神様だもんね〜」と知っているかのようなデカイ態
度なのである。しかし、こんなにいるとはねぇ。

慣れとは恐ろしいもので、最初はあんなに喜んでいた私も、数日後には
「あー、またいるー」
と何の驚きも感じなくなっていた。
なにせ、日本の野良猫よりもはるかに見かける頻度が高いのだから、いちい
ち驚いてもいられないのだ。
駅のホームにだっているし、路地でヌゥッと出てきた牛に出くわせば、こっちが
はじによけてお通しして差し上げなければならないし。

俺ッち神様だも〜ん

ロバと少年

牛だけではない。
インドでは動物と人間がごく自然に共存しているようだった。
猿(神様グループの一員なので、こちらも大切にされている)にブタ、
ヤギやロバなどと、いたる所でフツーにお目にかかる事ができる。
猿が一匹現れただけで『ニュース』になってしまう東京の方が、なん
だか不自然に思えてくるなぁ。

ニューデリーの街を車で走っている時、案内してくれていたガイド
さんが
「象がいてゾウッとしますよ〜」
と寒いダジャレをかましたすぐ後に、本当に象が現れてビックリした
事があった。勿論、この象は野良象ではなく、人を乗せる為に飼わ
れている象だ。
「乗りたいですか?」
「乗りたーい!!」
という事で、ガイドさんは車が走っている普通の道路で、タクシーを
止めるみたいに手を上げて象を呼んでくれた。
うわ〜!近くで見るとデカイ!!さすがの迫力である。

これは大道芸のおさるさん

うわ〜!やって来ました〜!
象さんは乗りやすいようにしゃがんでくれるので、まず前足に乗って
耳をつかみ、背中の荷台までよじ登る。
「よっこらしょ」と立ち上がると象さんの背中は予想以上の高さだった。
歩くたびにグラ〜ン、グラ〜ンと左右に大きく揺れるので、一緒に乗っ
た人はひどく怖がっていたが、私は初めての体験に
「ウヒャーーーーッ」
と興奮しまくっていた。
すると、どこからか「ウキャキャ〜」という騒ぎ声が!声のする方を見ると、すぐ横が小学校だったようで
壁の上から数人の子供達が顔を出して、嬉しそうにこちらを見物していたのだった。
調子に乗った私は
「イエ〜イ!!」
と手を振る。どうやら彼らにとって珍しいのは象ではなく、ジャパニ(日本人)だったようだ。

でも、こんなインドに動物園があるのが不思議。だって街自体が動物ワンダーランドなのに・・・。

さあ、乗りますよー!

ちょっと失礼して・・・

イエ〜イ!!




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